沖縄の現地調査

宮古島東辺名岬
宮古島東辺名岬

NPO法人沖縄伝承話資料センター

 沖縄伝承話資料センターでは、沖縄の伝承話にかんする収集、整理、研究、広報などの活動を行っております。詳しくは、ホームページをご覧下さい。

沖縄の伝承話特に、神話の特色

つまり沖縄の神話がどういう性格かは、74000話の調査の中で明白である。

まづ、本島北部の伊江島の起源神話は、大折目(うぷゆみ)の祭りの意味を語る。鬼を竜神として転換させ、守護霊にする神話と儀礼。本土で言う「御霊信仰」である。諸外国、特に中国や韓国にはない事例である。

南部の久高島の神話は、誰もが知っている。アーマンチューの世界である。

さて、宮古島の神話は、コイツヌとコイタマの神話は、蛇神の三輪山型神話である。中国大陸ではほとんど見れられない(千野明日香の優れた論文がある)。しかし一部少数民族に見られるが、日本からの影響か。竹取物語も日本から中国の少数民族に伝来したようである。日本の縄文時代は16000年前である。それを考慮すれは、中国6000年より、文化の歴史は古い。韓国の三輪山型伝説は、古いところ(三国遺事)はミミズ婿入り型で、台湾と共通している。日本本土や沖縄にはミミズ婿入りはない。なお、蛇神信仰と神話は、中東から西洋に広がる広範囲な神話である。これからの神話研究は、多信仰文化の古層研究に向かうべきではないかと思う。中国道教の影響は新しい。

八重山の起源神話は、記紀神話の構成と同じである。『八重山歴史』に掲載されているし、民間にも伝わる。なお神話は、中国・特に漢民族では、排斥されており、「怪力乱心を語らず」と言って、中国には神話の古層の文化は極めて少ない(少数民族族は除く)。中国の道教的な二元論は、キリスト教的な二元論とともに新しい宗教とされている。ギリシア、ローマ、エジプトと並び、日本の古代文化は多元論である。その最も古層の文化を伝えるのが、日本本土と沖縄文化である。沖縄文化は、多元的であり、中国や韓国文化とは全く異質である。沖縄では死後霊は全て、浄化され先祖としてまつられるが、中国や韓国では、極悪人が祀られたり、その霊が浄化されることは、全くない。もしあれば、日本文化の影響である。